更年期を心地よく過ごすために知っておきたいこと

Life Style

2025.07.10

木川 誠子

[フェムケアコンシェルジュ]

木川 誠子

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更年期に対して 、漠然とした不安や怖さを抱えていませんか?更年期についての正しい知識や情報を得ることで、それらは解消されるかもしれません。
そこで、更年期の基本知識と更年期を心地よく過ごすことにつながる3つの対策をお届けします。

更年期は思春期と同じ 

「更年期がひどい」「更年期がなかった」という会話を聞くこともあると思いますが、厳密には「更年期症状がひどい」「更年期症状はなかった」です。それは、更年期は思春期と同じで、誰にでも訪れるから。

思春期は大人へと成長するための移行期間で、8歳頃から18歳頃までを指します。その期間に起こる可能性があるのが反抗期。ですが、反抗期があったか、なかったか。あった場合、ひどかった、ひどくなかったかは個人差がありますよね。

更年期は、閉経前後5年間の合計10年間を指しています。現代女性の平均閉経年齢は50歳とされているので、45~55歳が平均的な更年期と言われています。ですが、必ずしも全員に当てはまるわけではありませんので、目安として知っていてください。このように更年期は期間を指していますので、誰にでも訪れます。ただし、更年期にまつわる症状の有無やその程度は、ひとりひとり異なります。

ちなみに、最近の研究結果によると、閉経の平均年齢が1~2歳延びているとデータが示されています。今後は、更年期の平均期間も変わってくる可能性があります。

思春期も、更年期も女性ホルモンの影響

思春期にやってくる反抗期も、更年期に起こる可能性がある症状も、女性ホルモンが関係しています。

思春期は、女性ホルモンの影響を受けて、いわゆる女性らしい身体つきに変化していくなかで、精神的に不安定になることやイライラしやすくなるなど、気持ちにも影響が出てきます。大人になるための燃料となる女性ホルモンを勢いよく補給している状態で、その勢いが余ってしまうと反抗期として現れてくるようなイメージです。

一方、更年期を迎えると、燃料である女性ホルモンが補給できなくなっていくため、エネルギー切れを起こしそうな状態と言えます。そのため、やる気が出なかったり、気持ちが落ち込みやすくなってしまったり、逆に一生懸命燃料を補給しようと頑張ってしまうことでオーバーヒートが起こり、更年期特有のホットフラッシュやほてりなどの症状が現れます。

思春期に起こる事柄は反抗期と別名がついているのに対して、更年期に起こる事柄はそのまま更年期症状と言われるため、更年期=更年期症状と思いがち。ですが、更年期にまつわることは心情への影響も大きいことを考慮すると、言葉の定義を理解することで、漠然とした不安や怖さは軽減されていくのではないでしょうか。

更年期症状と更年期障害は主観で決まる

更年期には、更年期症状と更年期障害があります。実は、そのふたつも異なります。

更年期の症状として自覚しやすいのは、生理周期の乱れです。周期が短くなったと思ったら長くなり……と周期が乱れ、その後閉経を迎えます。そして、ホットフラッシュや発汗、不眠などの更年期特有の症状が現れてくるのですが、日常生活を送るうえで自分が困っていなければ更年期症状、困っていたら更年期障害になります。

■更年期症状

更年期に現れるさまざまな症状のなかで、臓器の異常(器質的変化)に起因しないもの

■更年期障害

更年期症状のなかで、日常生活に支障をきたす病態

例えば、症状の出方は軽いほうだとしても、少しでも症状を感じるのが嫌だと思う場合は困るという判断になると思いますし、症状の出方が激しかったとしても、「全然気にならない」という場合は困らないとなりますよね。捉え方は人それぞれなので、個人の判断にゆだねられています。さらには、たとえ症状が出ていても、困っていないのであれば必ずしも治療をする必要もありません。

更年期を心地よく過ごす3つの方法

更年期にまつわる症状について、困るか、困らないかの判断も、治療を受けるか、受けないかの判断も自分次第です。自分のことを自分で判断するのは当たり前ではありますが、そのためには知識や情報が必要。そして、日常生活の中で対策をすることも、更年期を快適に過ごすためには大事になります。

その1:規則正しい生活習慣

健康習慣として欠かせないのが、栄養バランスを意識した食生活・適度な運動・質のいい睡眠です。規則正しい生活習慣は、更年期世代にも必要不可欠。

規則正しい生活は1日では手に入らないため、できることからコツコツと積み重ねていくことを意識してくださいね。

その2:香りで気持ちを整える

五感の中でも嗅覚は、本能にダイレクトに働きかけるとされています。更年期世代は女性ホルモンとともにメンタルも揺らぎやすくなるため、お気に入りの香りを取り入れることは、気持ちの安定につながります。

また、いい睡眠につなげたい場合はラベンダー、女性ホルモンとのつながりがあるゼラニウム、幸せホルモンのひとつオキシトシンの分泌を促してくれるクラリセージなど、目的にあわせて取り入れるのもおすすめです。

その3:骨密度を調べる

定期的に婦人科検診を受けることはもちろんですが、更年期世代は女性ホルモンの分泌量が減少することによって骨粗しょう症のリスクが高まります。

骨密度は20歳前後でピークを迎えるとされています。そのため、それまでに獲得した骨密度を維持していくことが大事。ウォーキングや縄跳びなど、骨を刺激する運動を心掛けながら、健康診断の際に、骨密度検査を追加するのもおすすめです。

更年期は新たなライフステージの始まりです。必要な知識や情報を得て、毎日を心地よく、快適に過ごしてくださいね。

 

 

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