Beauty
2026.06.09

「最近、急に白髪が増えた気がする」「分け目や生え際が気になる」40代に入ってから、そんな悩みを感じ始める方は少なくありません。
この記事は、ヘアケアブランド「ラサーナ」の編集部が、研究開発室の毛髪診断士への取材・監修のもと執筆しています。白髪のしくみや原因、今日からできる対策について、食事・睡眠・頭皮ケアなどの視点からわかりやすく解説します。
Contents
白髪対策は、白髪ができるしくみを知ることから始まります。まずは、黒髪との違いや40代で目立ちやすくなる理由を見ていきましょう。

白髪は、髪を黒く見せる「メラニン色素」が減ることで起こります。髪は、毛根にある「メラノサイト」という細胞がメラニン色素を作ることで黒く見えています。しかし、加齢やストレス、生活習慣の乱れなどによってメラノサイトの働きが低下すると、色素が十分に作られにくくなります。
その理由については
・メラノサイトがそもそも作られていない説
・メラノサイトは存在していても、メラニン色素が作られていない説
・メラノサイトは作られているものの、メラニン色素を髪へうまく届けられていない説
などがあると考えられています。
結果、色がつかないまま髪が生え、白髪として目立つようになります。
なお、白髪が発生する詳しいメカニズムについては、まだ解明されていない部分も多いといわれており、現在も研究が続けられています。
日本人は「地毛=黒髪」というイメージが強いですが、世界には栗色やブロンド、赤みのある髪など、さまざまな髪色があります。髪色は人種や遺伝の影響を大きく受けており、その色を決めているのが「メラニン色素」です。
髪のメラニンには、主に2種類あります。
・ユーメラニン(黒褐色系)
・フェオメラニン(赤黄色系)
この2つの量やバランスによって、髪色の濃さや色味が決まります。
例えば、ユーメラニンが多いと黒髪に近づき、フェオメラニンが多いと赤みや茶色みが強くなります。
そして、メラニン色素がほとんど含まれていない状態で生えてくる髪こそが、「白髪」です。
「白髪」と呼ばれていますが、実は本来の白髪は透明です。髪を黒く見せるメラニンが作られにくくなることで、色のないまま髪が伸び、光の反射によって白く見えるようになります。

40代は、白髪が気になり始める方が多い年代です。年齢を重ねると、メラノサイトの働きは少しずつ低下し、髪のハリ・コシの変化によって白髪が目立ちやすくなることがあります。
さらに、仕事や家事、育児などで自分以外を優先する場面も増えやすい時期です。生活リズムの乱れや睡眠不足、食生活の偏りが、頭皮環境に影響することもあります。
「急に白髪が増えた」と感じても、少しずつ増えていた白髪が、髪型や光の当たり方によって目立つようになっているケースも少なくありません。
白髪については、近年さまざまな研究が進められており、例えば白髪には黒髪と異なる特徴があることも報告されています。
✓白髪は後頭部に少ない傾向がある
白髪の発生率には部位差があり、後頭部は比較的白髪が少ない傾向があるとされています。そのため、分け目や生え際から白髪が気になり始める方も少なくありません。
✓白髪は黒髪より太い傾向がある
研究では、白髪は黒髪よりも太い傾向があることも報告されています。そのため、「白髪だけピンと立つ」「目立ちやすい」と感じることがあります。
✓白髪は伸びるのが速い可能性も
平均値比較では、白髪のほうが黒髪より伸びる速度が速いという結果もあります。「染めてもすぐ気になる」と感じやすい背景のひとつかもしれません。
✓白髪はうねりやすく感じることも
白髪は断面がやや偏平な傾向があるとされており、これがうねりやまとまりにくさにつながる可能性も考えられています。

白髪は、加齢だけでなく、遺伝や生活習慣、頭皮環境など、さまざまな要因が関係すると考えられています。まずは、白髪が増える主な原因について見ていきましょう。
白髪の大きな原因のひとつが加齢です。年齢を重ねると、髪を黒く見せるメラニン色素を作る力は少しずつ低下していきます。その結果、色素が十分に作られなくなり、白髪として生えてくるようになります。
また、40代以降は髪のハリ・コシの変化によって、以前より白髪が目立ちやすくなることもあります。
白髪は、遺伝の影響を受けることがあります。家族や親族に白髪が多い場合、似たタイミングで白髪が増えるケースもあります。
ただし、遺伝だけで白髪の量やタイミングが決まるわけではありません。生活習慣や頭皮環境など、さまざまな要因が重なることで変化すると考えられています。
髪は、毎日の食事から摂る栄養をもとに作られています。偏った食事や極端なダイエットによって栄養バランスが乱れると、健やかな髪を育てる環境にも影響する場合があります。
髪は毎日の食事から摂る栄養をもとに作られるため、まずはバランスのよい食事を意識することが大切です。

睡眠不足やストレス、生活習慣の乱れは、頭皮環境の乱れにつながることがあります。睡眠中は、体を休めながらコンディションを整える大切な時間です。しかし、夜更かしや不規則な生活が続くと、生活リズムが乱れやすくなります。
また、ストレスがたまりすぎると、心身のバランスが崩れることもあります。忙しい毎日の中でも、適度に体を動かしたり、リラックスできる時間を作ったりしながら、無理のない範囲で生活習慣を整えることを意識してみましょう。
頭皮は顔と同じように紫外線の影響を受けています。特に分け目や頭頂部は紫外線が当たりやすく、乾燥やダメージにつながる場合があります。
また、洗浄力が強すぎるシャンプーやゴシゴシ洗いなど、頭皮への刺激が負担になることもあります。帽子や日傘を活用しながら、やさしい頭皮ケアを心がけましょう。
白髪対策は、特別なことよりも毎日の積み重ねが大切です。食事や睡眠、頭皮ケアなど、今日から無理なく取り入れやすい方法を紹介します。
白髪対策では、毎日の食事を見直すことが大切です。髪の主成分となるたんぱく質をはじめ、亜鉛やビタミン類などをバランスよく摂ることが、髪や頭皮環境を整えることにつながります。
食事内容に迷った時は、和食の基本として知られる「まごはやさしい」を意識するのもおすすめです。

こうした食材を日々の食事にバランスよく取り入れることで、栄養の偏りを防ぎやすくなります。「これだけ食べればよい」という食品はありません。バランスよく組み合わせながら、無理なく続けられる食生活を意識してみましょう。
健やかな髪を育てるためには、睡眠環境を整えることも大切です。睡眠不足が続くと、生活リズムが乱れやすくなります。特に、寝る直前までスマートフォンやパソコンを見る習慣は、睡眠の質に影響する場合があります。
睡眠環境を整えるためには、食事は就寝3時間前までを目安に済ませる、夜遅い時間のカフェインやアルコールを控える、ぬるめのお湯でゆっくり湯船に浸かってリラックスするなどできることから取り入れていきましょう。

ストレスを完全になくすことは難しいものです。だからこそ、日々の中でほっと力を抜ける時間を持つことが大切です。
好きな音楽を聴きながら深呼吸する、季節の空気を感じながら散歩する、あたたかい飲み物をゆっくり味わう――そんな小さなリラックスタイムが、気持ちを整えるきっかけになることもあります。
忙しい日々の中では、自分のことを後回しにしてしまいがちです。だからこそ、「少し疲れているかも」と感じた時は、「何もしない時間」をあえてつくることも、心と体を整えるきっかけになるかもしれません。
健やかな髪は、健やかな頭皮から育ちます。頭皮を清潔に保つことは大切ですが、洗いすぎや強い摩擦は負担につながる場合があります。
シャンプーはしっかり泡立て、指の腹でやさしく洗いましょう。また、髪や頭皮を濡れたまま放置せず、ドライヤーでしっかり乾かすことも大切です。
さらに、頭皮をやさしくマッサージすることで、リラックスタイムにもつながります。入浴中やヘアケアの時間に、無理のない範囲で取り入れてみるのもよいでしょう。


適度に体を動かすことは、全身の巡りを整えることにもつながります。ウォーキングやストレッチなど、無理なく続けやすい運動から始めてみましょう。ラジオ体操を本気でやってみるのもおすすめです。全身をしっかり動かすことができ、短時間でも気分転換につながります。

白髪対策では、毎日の食事で栄養バランスを意識することも大切です。
前の章では、「まごはやさしい」を紹介しました。ここでは、髪づくりに関わる栄養素について、もう少し詳しく見ていきましょう。
ラサーナ研究開発室の毛髪診断士によると、「まずはしっかり栄養を摂ることが大切」とのこと。髪は、毎日の食事から摂る栄養をもとに作られています。
「どんな栄養素が髪に関わっているのか」という視点から、白髪対策に取り入れたい栄養素や食べ物を見ていきましょう。
| たんぱく質 働き:髪の主成分であるケラチンの材料となる栄養素 多く含まれる食べ物:肉、魚、卵、大豆製品、乳製品 |
| チロシン 働き:メラニン色素の生成に関わるアミノ酸のひとつ 多く含まれる食べ物:大豆製品、チーズ、バナナ、アボカド |
| 亜鉛 働き:健康維持に欠かせないミネラル 多く含まれる食べ物:牡蠣、赤身肉、ナッツ類、レバー |
| ビタミンB群 働き:エネルギー代謝や健康維持をサポートする栄養素 多く含まれる食べ物:豚肉、まぐろ、納豆、卵 |
| ビタミンC 働き:健康維持をサポートし、バランスのよい食生活に役立つ栄養素 多く含まれる食べ物:ブロッコリー、パプリカ、キウイ、いちご |
| ビタミンE 働き:健康維持をサポートする栄養素 多く含まれる食べ物:アーモンド、かぼちゃ、アボカド |
| 鉄分 働き:体内で酸素を運ぶ働きに関わるミネラル 多く含まれる食べ物:レバー、赤身肉、ほうれん草、ひじき |
ただし、「この食べ物だけ食べれば白髪対策になる」というものではありません。
大切なのは、特定の食材に偏るのではなく、さまざまな食材をバランスよく取り入れることです。完璧を目指しすぎず、毎日の食事の中で少しずつ意識していきましょう。
よかれと思って続けている習慣が、頭皮や髪の負担につながることもあります。白髪が気になる時こそ、避けたいケアを確認しておきましょう。
白髪が気になると、つい抜きたくなる方もいるかもしれません。しかし、無理に抜くことは頭皮への負担につながります。また、「しっかり洗わなきゃ」と力を入れすぎたゴシゴシ洗いや、強いブラッシングも注意が必要です。
さらに、分け目がいつも同じだと、同じ部分に紫外線が当たり続けやすくなります。帽子や日傘、髪・頭皮にも使える日焼け止めスプレーなどを活用しながら、やさしい頭皮ケアを意識しましょう。
極端な食事制限や偏った食生活は、栄養不足につながります。特に、「パンだけ」「コーヒーだけ」で食事を済ませる習慣は、栄養バランスが偏りやすくなります。
完璧を目指す必要はありません。まずは、たんぱく質や野菜を少し意識することから始めてみましょう。
夜更かしや不規則な生活、ストレスの蓄積は、体にも髪にも負担になります。40代以降は、自分の休息を後回しにしてしまう方も少なくありません。
夜は少し早めにスマホを置く、湯船に浸かるなど、小さなリラックス習慣を取り入れながら、無理のない範囲で生活リズムを整えていきましょう。
今ある白髪は、髪型や分け目を工夫したり、白髪染めやカバーアイテムを取り入れたりすることで、目立ちにくくできます。自分の生活スタイルや好みに合った方法を取り入れていきましょう。
白髪は、生え際や分け目に集中していると特に目立ちやすくなります。いつも同じ分け目にしている方は、分け目を少しずらすだけでも印象が変わることがあります。また、トップにふんわりボリュームを出すことで、白髪が自然になじみやすくなる場合もあります。
白髪をしっかり隠すだけでなく、グレイヘアやメッシュを取り入れるなど、白髪を活かしたスタイルを楽しむという選択肢もあります。自分に合った見せ方を取り入れるのもひとつの方法です。

白髪染めというと、「頻繁に染めるのが大変そう」「髪への負担が気になる」と感じる方もいるかもしれません。美容院で定期的に染める方法のほか、自宅で手軽に使いやすいヘアカラームースや毎日のケア感覚で使いやすいヘアカラートリートメントなどさまざまなアイテムがあります。
例えば、「生え際だけ気になる」「美容院までのつなぎとして使いたい」「自然になじませたい」など、白髪の悩み方は人それぞれです。自分の生活スタイルや仕上がりの好みに合った方法を選ぶことも大切です。髪や頭皮への負担感に配慮しながら、無理なく続けられる方法を取り入れてみましょう。
「全体を染めるほどではないけれど、数本だけ気になる」――そんな時に便利なのが、白髪隠しマスカラやスプレー、ファンデーションタイプなどの部分用アイテムです。
特に、生え際や分け目、顔まわりは白髪が目につきやすく、数本あるだけでも気になってしまうことがあります。外出前にサッと整えられるため、「今日は人と会う予定がある」「写真を撮る予定がある」そんな日の「ちょっと気になる」を整えてくれる心強いアイテムです。

「白髪は黒髪に戻る?」「抜くと増える?」など、白髪について気になる疑問を、毛髪診断士に教えてもらいました。
A.頭皮の上に生えている髪は、すでに生命活動をしていない部分のため、一度白くなった髪が自然に黒髪へ戻ることはありません。
一方で、白髪が生えていた毛穴でも、メラノサイトの働きが回復することで、その後に生えてくる髪が黒髪になるケースもあるようです。
A.「白髪を抜くと増える」とよく言われますが、白髪を抜いたことが原因で白髪そのものが増えるという科学的な根拠はありません。ただ、一度気になり始めると、それまで気づかなかった白髪にも目がいくようになり、「急に増えた気がする」と感じることがあります。また、同じ場所に白髪が生えてくることで、「抜いたのにまた増えた」と感じやすいことも理由のひとつです。
一方で、繰り返し抜くことは頭皮への負担につながる可能性があります。どうしても気になる場合は、無理に抜かず、根元から短くカットするようにしましょう。
A.小説やドラマで「恐怖やショックで、一夜にして髪が真っ白になった」というシーンを見かけたことがある方もいるかもしれません。
しかし、頭皮の上に生えている髪は、すでに生命活動をしていない部分のため、短時間で急に色が変わることはないと考えられています。
そのため、小説やドラマで描かれる一瞬で白髪になるという表現は、恐怖や悲しみを強調する演出として使われることが多いようです。
一方で、円形脱毛症などによって黒髪だけが抜け、白髪が残ることで、「急に白髪が増えたように見える」場合があるとされています。また、円形脱毛症のあとに生えてきた髪が、白髪になる例も報告されています。

ここまでご紹介してきたように、白髪は加齢だけでなく、生活習慣や頭皮環境など、さまざまな要因が重なって起こると考えられています。だからこそ、「これだけやれば大丈夫」という特別な方法ではなく、毎日の積み重ねを大切にすることが重要です。
栄養バランスを意識した食事や質のよい睡眠、ストレスをため込みすぎない生活、やさしい頭皮ケアなど、できることから少しずつ続けていきましょう。
また、白髪との向き合い方に正解はありません。美容院で染める、カラートリートメントを使う、グレイヘアやメッシュを楽しむなど、自分の生活スタイルや好みに合った方法を取り入れながら、自分らしく心地よく過ごせる方法を見つけていけるといいですね。
参考資料:日本毛髪科学協会 皮膚と美容vol.58,No.1
株式会社資生堂 ニュースリリース
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